代表的な夏かぜ

手足口病

6月30日現在警報レベルです

手足口病京都市では増加し、京都市内の南区、右京区、伏見区では今週も警報レベルが継続しています。通常流行するのは夏で、約７割は５歳以下の乳幼児が罹っています。最も多い年齢は、男の子で２歳29％・女の子で１歳33％です。これまでに重症化患者の報告はありません。しかし、今年は流行の立ち上がりが早く、患者が増えると予想されますので、注意が必要です。（令和元年6月24日～令和元年6月30日）

エンテロノウイルス・コサッキーウイルスの感染

主な症状は手のひら、足の裏、ひじ、ひざ、口などに米粒の水泡が出来ます。4歳くらいまでの幼児に多い感染症ですが、感染力が強く、学童でも流行することがあります。 口の中の水泡がつぶれ粘膜がはがれ潰瘍となり痛いため食欲が落ち、不機嫌になります。熱は出ても、微熱程度で、下痢や嘔吐を伴うこともあります。発症から1週間程度で治癒します。

咽頭結膜熱（プール熱）

アデノウイルスに感染

主に学童期の子供に感染が多くアデノウイルスに感染した鼻汁などからの飛末感染が主ですが、 タオルの共用や目やに、糞などからの感染もあります。プール熱と呼ばれていますが、プールに入らなくても感染します。 目の充血とのどの痛み、発熱があります。乳幼児期は下痢を伴うこともあります。発症から3～7日で治癒します。

当医院では下記の検査キットを使って判定しております。約8分で検査結果が分かります。

ヘルパンギーナ

コサッキーウイルスの感染

主に乳幼児期の子供に感染が多くコサッキーウイルスの感染で発症します。梅雨明けの頃に流行します。 突然の発熱と同時に口腔内に細かい水泡ができ水泡がつぶれ粘膜がはがれ潰瘍となります。口腔内の痛みのため、食事が出来なくなり、機嫌が悪くなります。 発症から3～5日間で治癒します。

治療

特効薬がありません

これらの治療はウイルスが原因のため特効薬がなく、対処法のみで、症状によって解熱剤を使います。いずれも予後は良いのですが、夏場のため脱水による症状の増悪をみるため安静及び水分補給に十分注意することが大切です。 夏かぜにはきわめて少ないのですが、乳幼児に髄膜炎や脳炎を起こすものがあります。初めはかぜ症状ですが、3～5日に経っても高熱が続き意識障害、けいれん、嘔吐など脳症状があらわれる事もあります。症状の経過観察、熱の推移など記録しておくと良いでしょう。症状が続く場合はすぐに受診しましょう。

看護のポイント

発熱しているとき

• 寒気があり、手足が冷たい場合は身体を暖めます
• 掛けものなど、寝具で調節しましょう
• 寒気がなく、手足が熱い場合は身体を拭いたり、保冷剤で冷やしたりして体温を下げるようにしましょう。熱を下げるのに下記の図の箇所を冷やすと効果的です。

食欲がないとき

• 口の中が痛いときは、刺激の少ないうす味の、のど越しのよいものを食べさせましょう

入浴は？

• 熱があっても、38℃以下で元気あればシャワー程度か長湯をしなければかまいません
  ただ入浴は体力を奪われるので、子供の体調をしっかりと見極めて判断してください。

予防

感染経路は鼻汁などの飛沫感染・タオルなどを共用する事による接触感染・おむつ交換や水泳時の糞口感染です。これらを防ぐには

• 手洗い・うがい・マスクの使用
• タオルやコップ・洗面器などを共用しない
• 排泄物の適切な処理
• プールで泳ぐ前のシャワー、洗眼を忘れずにしましょう

感染された方が家族の中にいる場合は家族も感染を広げないようしっかり予防してください。子供だけで防ぐのは困難です。家族みんな感染に注意し、予防しましょう。